日本のマンガがベトナムでも人気なのは、これまでも紹介した通りだ。ベトナムにおけるマンガブームの火付け役となったのはキムドン出版社だ。
同社は一九五七年、ホーチミン共産青年同盟傘下の児童書専門国営出版社としてスタートした。名称はベトミンの活動に参加し犠牲となった少年「キムドン」にちなんでいる。
一九九〇年代はじめ、同出版社はドイモイ政策のもと市場経済化に伴って独立採算制に移行、そのため経営危機に陥っていた。同社はタイの出版社に勧められ、日本のマンガ「ドラえもん」の出版に乗り出す。一九九二年のことだ。続きを読む