2023年2月24日、ハノイ市郊外。日本からの代表団とともに著者はある工場にやってきた。工場の扉をベトナム人工場長が開く。すると鮮やかな朱色にいろどられた車体が目にとびこんできた。運転室の屋根上は灰色、車体をとりまくように帯状の白色がアクセントになっている。ディーゼル機関車DD11型2号機。日本・汽車製造が戦後初のディーゼル機関車として1956年に製造した1台だ。数ヶ月前まで、ザーラム機関車工場の片隅に、打ち捨てられ、廃車同然の無残な姿をさらしていただなんて誰が信じようか。今やベトナム人工員たちの手によって、機関車DD11型2号機はよみがえった。1977年、国鉄労働者をはじめとする交通関係労働者の産別組織である全日本交通運輸労働組合総連合会(全交運)がベトナム国鉄にその戦勝を記念してこの機関車を贈呈した、その当時の姿そのままに復元された。続きを読む