1月23日午後、ハノイの街は真紅に染まった。国旗の「金星紅旗」を手にバイクで疾駆するもの、軒先で国旗を打ち振り、通りがかりの見知らぬ人たちとハイタッチするもの、鳴り物を打ち鳴らし「勝った、勝った」と踊り出すひとで街は沸いていた。
その日、アジアサッカー大会U-23(23歳以下の選手で争われる)で準決勝が争われた。対戦相手はカタールだ。その試合でベトナムが勝利し、決勝戦進出が決まった。
その喧騒はまるで渋谷のスクランブル交差点で発生する日本のサッカーサポーターの狂乱が何十倍にもなって街全体、国全体に広がったようなものだった。我が社でも普段サッカーには興味がないといっていた女性従業員もシュートのたびにあがる街の歓声にたまらず、就業時間にもかかわらずオフィスを飛び出し、試合を映しだすテレビを見にいってしまった。続きを読む